近年、不動産売却におけるAI査定の利用が急速に広まっています。AI査定は、従来の不動産査定とは異なり、膨大なデータに基づいて迅速かつ簡単に物件の価格を算出することができます。
しかし、AI査定の精度について疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、不動産AI査定の仕組み、精度、メリット・デメリット、具体的な活用方法について詳しく解説します。
不動産AI査定とは?
不動産AI査定とは、AI(人工知能)を用いて不動産の価格を算出するものです。
具体的には、過去の取引事例や周辺環境などのデータを分析し、物件の価格を推定します。
従来の不動産査定は、不動産会社の担当者が個別に物件を調査し、価格を算出する方法でしたが、AI査定は、この作業を自動化することで、迅速かつ簡単に価格を算出することができます。
不動産AI査定の仕組み
不動産AI査定は、主に以下のデータを基に価格を算出します。
- 過去の取引事例
- 周辺環境
- 物件の属性(築年数、広さ、間取りなど)
- 市場動向
これらのデータをAIが分析し、物件の価格を推定します。
不動産AI査定の精度
不動産AI査定の精度は、利用するサービスによって異なりますが、取引事例の多いマンションではおおむね80%~90%程度と言われています。
これは、従来の不動産査定と比較しても遜色ない精度です。
しかし、あくまでも推定値であるため、実際の売却価格と異なる場合があります。
不動産AI査定のメリット
不動産AI査定には、以下のようなメリットがあります。
- 迅速・簡単: 従来の不動産査定と比べて、迅速かつ簡単に価格を算出することができます。
- 客観的:人間の経験と勘ではなくデータのみで査定をしているので客観的な価格を算出できます。
- 匿名: 個人情報を登録せずに利用できるサービスもあります。
- 複数社比較: 複数のサービスを利用することで、様々な価格を比較することができます。
不動産AI査定のデメリット
不動産AI査定には、以下のようなデメリットもあります。
あくまでも推定値: 実際の売却価格と異なる場合があります。
すべての物件に対応しているわけではない: 一部の物件は、AI査定で価格を算出できない場合があります。個別要因の多い戸建住宅は現状ではAI査定には適していません。
個別の事情を反映できない: 物件の状態や修繕履歴、売却時における売主の特別な事情(早期現金化希望等)などの個別の事情を反映できない場合があります。
個別要因のある物件をAI査定してみると
以前、当社に査定依頼をいただいたお客様がAIで査定をしていたことがありました。
3社のAI査定を使ってみたものの価格が全然違うのでどれが正しいのか判断ができないということでした。
- A社:1,580万円〜2,060万円
- B社:2,511万円
- C社:3,255万円
- 当社:1,750万円
神奈川県川崎市内にある査定物件は物件そのものに個別性があるのではなく、成約事例の多くにリフォームという個別要因がありました。
築年数の経過しているマンションでしたので、成約事例はリフォームの程度によって価格に大きな差がありました。
査定物件はリフォームをしていない状態でしたのでリフォームされていない成約事例をピックアップする必要がありました。
リフォーム済みの成約事例からリフォーム要因による価格上昇を排除できないAIは高めの査定を出してしまい、実際の価格とは大幅にずれた価格を算出してしまいました。
不動産AI査定の具体的な活用方法
不動産AI査定は、以下のような場面で活用することができます。
- 売却を検討している段階で、概算価格を知りたい
- 複数の物件を比較検討したい
- 短時間で概算価格を知りたい
具体的な活用方法としては、
- 複数の不動産AI査定サービスを利用して、価格を比較する
- AI査定の結果を参考に、不動産会社に査定を依頼する
- AI査定の結果を、売却活動の参考にする
などが考えられます。
まとめ
不動産AI査定は、不動産売却を検討する際に役立つツールです。
しかし、あくまでも推定値であることを理解し、他の情報と合わせて総合的に判断することが大切です。
現状ではAI査定サービスは売却希望者の個人情報を取得するためのツールであり、営業担当者が査定をする訪問査定に誘導されるシステムになっています。
また、AI査定にはデメリットもあるため、利用する際には注意が必要です。
不動産売却を成功させるためには、AI査定だけでなく、不動産会社に相談したり、所有者自身が市場調査を行ったりすることも重要です。
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・不動産業界20年の経験を持つベテラン
・宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、賃貸不動産経営管理士、ファイナンシャルプランナーの資格を保有
・実需不動産、投資用不動産、任意売却など幅広い分野の実務経験
・これまでに数多くのお客様の不動産売買、賃貸、資産運用をサポート
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